皆さん、こんにちは!
いな穂と申します。
アメリカ株への投資が人気となっていますが、8月はアメリカの株式市場が乱高下しました。
その要因としては米中貿易の不安や逆イールド発生などが挙げられますが、今回は逆イールドとは何なのかをお話していきます。
目次【本記事の内容】
逆イールドとは
逆イールドとは短期金利が長期金利を上回る状態のことをいいます。
本来、債券市場において残存期間が長ければ金利は高くなります。
身近な具体例でいうと、
友達から「あ、今日財布忘れた!1,000円貸してくれない?明日返すから!」と言われたらあなたはどうしますか?
もちろん貸しますよね?
ではそこに金利は上乗せしますか?
もちろんしないと思います(笑)
では次。
友達から「ごめん、10万円貸してくれない?1年後に返すから!」と言われるとどうでしょう?
返ってくるかもわからないので貸すことをそもそもしないという人もいれば、11万円にして返してくれるなら。。。と考える人もいるのではないでしょうか?
何が言いたいかというと、短期的なお金の貸し借りは返ってくる確率が高く、長期になればなるほど返ってくる確率が低くなります。
そこで、リスクに見合った報酬(リターン)を受け取るというわけです。
米国債券で逆イールド発生
米国債券には2年後や10年後に返済する債券があります。
2年後に返ってくる債券と10年後に返ってくる債券だと、返ってくる確率が高いのはもちろん2年後ですよね?
それなら金利は2年物の債券の方が金利は安いはず!
しかし2019年8月14日に2年物と10年物の金利が逆転してしまいました。
なぜ逆イールドがダメなのかというと将来的に政策金利が低くなることを投資家が予想しているからです。
金利と景気の関係性はつぎのようになります。
好景気には金利が上昇する。
不景気には金利が下落する。
好景気だとこのような循環になります。
売上が増加すれば利益も拡大し、さらに売上を伸ばすため設備投資を行います。
その時、必要になるのが借入です。
金融機関から借り入れることで資本を増加させ、その資本を基に新たな売上を計上していきます。
不景気の場合はその逆です。
売上が減少し、利益も縮小してしまうので、積極的な投資は行いません。
中央銀行としては好景気の場合には物価が上がりすぎないよう、景気にブレーキをかけていきます。
それが金利というわけです。
金利が高ければ企業はお金を借りません。その結果、企業の設備投資は緩やかになり、過度な物価上昇を抑えているのです。
不景気の場合は、金利が安ければお金を借りやすくなるので、企業に設備投資をさせることで不景気を改善しようと考えています。
今回の逆イールドは将来的な金利の低下なので、不景気になると考えて株価が下落しました。
逆イールドが起こると?
逆イールドが起こると歴史を振り返れば景気が後退します。
この図は、三井住友DSアセットマネジメントのレポートが発表した逆イールドと景気の動きですが、青く丸を付けた個所が2年物と10年物の利回りの逆転時期です。
赤いラインが景気後退期ですが、よく見てみると逆イールド発生から期間を置いて景気が後退しています。
今までの経験からいえば、逆イールドが発生してもすぐに景気後退が訪れるわけではなく、約2年2ヵ月後に景気が後退している。とレポートにまとめられています。
投資家の心理
逆イールドが発生してすぐに景気は後退しないとお話しました。
さらにこちらの表をご覧ください。
逆イールド発生から景気後退までの期間の株価比較表です。
アメリカを見てみると株価が大きく上昇しているのがわかります。
逆に日本はマイナスになっていますね。
今までの歴史から見れば逆イールド発生後に株価が上昇するので買いかな?と思うかもしれませんが、上昇後には必ず景気が後退しているので売りに動いたのでしょう。
まとめ
投資をする際は個別銘柄のリスクだけではなく、環境まで考えなければいけません。
これから景気が後退するかもしれないのに、「やった!株が安くなってる!」と考えて資産を全振りしては駄目です(笑)
株価が下がっていれば、それなりの理由があるので調べながら投資をしていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。