皆さんは株式併合という言葉を知っていますか?
株式併合とは複数の株式を1株に統合することです。自分が保有している銘柄の株価が突然2倍や3倍となっていた経験はありませんか?それは企業が株式併合を行った結果、株価も変動したというわけです。
そこで、今回の記事では株式併合について確認していきましょう。
株式併合とは
株式併合とは発行された株式を2株から1株や10株から1株など、複数の株式を1株に統合することをいいます。株式を統合した割合だけ株価も上昇しますが、投資家の資産額には影響しませんので安心してください。
分かりやすく例えるなら両替です。

10円玉が5枚あります。

50円ですね。
1枚のコインの価値は10円で、持っている枚数は5枚なので資産額としては50円ということになります。
では次です。

50円玉が1枚あります。

これも50円です。
持っていたコインは5枚から1枚に減ってしまいましたが、1枚あたりの価値は5倍になっていますので、総資産50円に変化はありません。

コインの枚数が株式数でコインの価値が株価に例えることができ、これが株式併合になります。
みずほFGの株式併合
具体的な銘柄をご紹介するなら、2020年5月にみずほフィナンシャルグループ(8411)が株式併合を行いました。株式併合の内容は10株を1株に併合するものであり、当時の株価は119.8円(2020年5月14日)でした。
株式併合の目的
つぎの文章はみずほFGの株式併合に関するお知らせを一部抜粋したものです。
東京証券取引所の有価証券上場規定において望ましいとされる投資単位の水準である「5万円以上50万円未満」の範囲を大幅に下回っておりますが、本株式併合によりこの状況の改善を図るものであります。
日本株の場合、株式の購入価格はつぎのように計算されます。
日本株式を購入する場合は売買単位の1単元は100株としています。ですので、実際にみずほFGの最低投資額を計算すると、株式併合前は119.8円×100株で11,980円から投資ができます。
ただ、東京証券取引所では投資単位を5万円から50万円の範囲が望ましいとされていますから、みずほFGは株式併合を行うことで投資単位の範囲内に収まるようにしたと言えるでしょう。
現在(2020年5月28日)の株価は1,706円ですので、投資単位は170,600円となります。
銀行定期預金は今や0.002%です。それならみずほFGに投資して配当利回り4%の配当金を受け取ればいいんじゃないかと個人的に考えています。
企業側のメリットデメリット
企業が株式併合を行うメリットとデメリットについて見ていきましょう。
・管理コストの削減
・スクイーズアウト
最低購入価格の上昇
スクイーズアウトなどあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、わかりやすく解説していきます。
管理コストの削減
最近ではLINE証券などの証券会社の誕生によって小額から投資可能となりました。企業にとって株主が増えることは管理コスト増加につながります。
以前、保有している企業から決算報告のお知らせが届きました。

この度の配当金は50円です。
などと書かれた文書が届きました。
1単元にも満たない小額投資をしている銘柄でさえ徹底した管理を行っているため、少額の株主が増え続けることはあまり良いことではありません。
スクイーズアウト
スクイーズアウトとは少額投資家を排除することです。
先ほど申し上げた通り株主が増えると管理コストも増加します。そのため、スクイーズアウトにより投資家の保有株式を1株未満にすることで強制的に排除します。
もともと10株を保有していたA株主は株式併合により1株となりますが、B株主とC株主は1株にも満たなくなるため、企業から強制的に買い取られてしまいます。
少額投資家が増えていくと、株式併合を行う企業も増加しそうですね。
最低購入価格の上昇
株式併合を行うデメリットとしては最低購入価格の上昇が挙げられます。
みずほFGを例にすると、今まで1万円程度で投資を行えていたのに、株式併合後では10万円から投資を行うこととなります。
2020年9月16日に日本証券業協会が公表したデータでは、2019年末時点で1,358万人の個人投資家が存在しています。
投資家にとって分散は大切です。しかし、1銘柄あたりの購入価格が上昇してしまえば買いにくくなり、1,000万人以上もの個人投資家から投資されなければ株価下落につながるかもしれません。
投資家のメリットデメリット
つづいて投資家目線でのメリットとデメリットです。
特になし!
単元未満株式になる
投資家目線のメリット・デメリットはしっかり確認しておきましょう。
メリットは特にない
投資家にとってメリットは特にありません。

以上です(笑)
単元未満株式になる
1単元は基本的に100株です。
100株しか保有していない投資家が株式併合を受け、10株まで保有株が減少した場合はどうすればよいのでしょうか。
①売却する
株式併合前に売却しても可能ですし、株式併合後の単元未満株のまま売却することが可能です。
ただし、単元未満株の売買は手数料などの取引ルールが異なる場合があり、注意が必要です。
②買増請求する
例えば100株が10株になった場合、1単元にするため残りの90株を買い増しする方法があります。
証券会社によってはネットだけで完結せず、電話での受付になることもありますので、自分の使っている証券会社で確認しておきましょう。
③単元未満株のまま保有
もちろん、単元未満株のまま保有し続けることも可能です。
単元未満株でも配当金は支払われますし、保有を続けた後に①や②のように売却も買増も行えます。
一般口座へ移行
株式併合を行うと、特定口座から一般口座へ払い戻しされる可能性があります。
現在、私はVOO・IAU・VGLTへの集中投資を行っています。参考⇒2021年3月の運用実績【集中分散投資9ヵ月目】
そのなかのIAUが株式併合を5月24日に行いました。その時のメールがこちらです。
投資を行う際は特定口座が推奨されていますが、その理由は確定申告を行う必要が無いからです。
【参考:楽天証券】
特定口座であれば投資の損益を証券会社が勝手に計算してくれますので、確定申告を行う必要はありません。
しかし、一般口座では投資家自身で損益を計算し確定申告を行わなければならず、手間が増えてしまいます。
したがって一般口座に移行したくない私は。。。

併合前に売却しました。
まとめ
株式併合は投資家にとってメリットはなく、デメリットや注意しなければならない点が多くありました。
株価が上昇し投資をしにくくなることや、単元未満株になれば管理の手間も増えたり、一般口座では確定申告が必要になってしまいます。
私はIAUを一度売却し、株式併合後に買い戻しを行ったため売買手数料が無駄に掛かってしまいました。
ご自分の保有銘柄が株式併合を行う際は、お気をつけてください。