年20%を超える契約は違法!上限金利について解説

銀行

皆さん、こんにちは!

いな穂と申します。

 

前回の記事では総量規制について解説しましたが、貸金業法の法改正では上限金利が引き下げられたのも大きな変化となりました。

万が一、今から説明する金利よりも高い金利での借入を行っているのであれば、貸金業者は罰せられる場合もあるので確認しましょう。

 

 

上限金利とは


前回の記事のおさらいです。

 

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平成18年頃に借金を多く抱えてしまう【多重債務者】が社会問題となりました。

A貸金業者からお金を借りて、その返済をするためにB貸金業者からお金を借りて。。。そのような負のスパイラルを続けることで借入金額が増幅し、生活が行き詰まる人が増加しました。

そのような多重債務者を救うべく金融庁が多重債務問題改善プログラムを立ち上げたのです。

 

そのプログラムでポイントとなったのはつぎの2つです。

  1. 貸付けの上限金利の引き下げ
  2. 貸付残高の総量規制の導入

今回は上限金利について解説していきます。

現在の上限金利


2010年6月に上限金利が引き下げられ、現在の上限金利は20%となっています。

ただし、利息制限法上の上限金利と出資法上の上限金利は違いがありますので、しっかり覚えましょう。

 

利息制限法の場合

借入金額に応じて年15%~20%となっています。

50万円の借入だと、金利が年20%の契約であれば上限を超えた2%の金利が無効になります。

最近は聞くことが少なくなりましたが、テレビコマーシャルで過払い金請求は〇〇法律事務所へ!といった言葉をよく耳にしませんでしたか?

過去に支払った利息が上限金利を超えていて、完済し終えた方を対象に調査する法律事務所があります。

利息制限法の場合、上限金利を超えているとお金を取り戻すことが出来たり、まだ借入を全額返済できていなければ返済元本から超過分を引くことができます。

 

出資法の場合

出資法の上限金利は一律年20%です。

いくら借りていたとしても20%を超えなければ出資法違反になることはありません。

では、20%を超えていたら?

利息制限法の場合は超過分は無効になりましたが、出資法の場合は上限金利を超えた時点で出資法違反となり、貸金業者は刑事罰があります。

ちなみに、違反した場合は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金です。

2つの法律


上記でさらっと利息制限法出資法の上限金利を説明しましたが、そもそも2つの法律がわからない!といった方もいると思うので解説。

貸金業者が融資を行う場合、貸金業法だけではなく利息制限法や出資法の規制を守らなければなりません。

 

利息制限法とは
貸主から過度な利息を取られないよう借主を保護するための法律

 

出資法とは
貸金業者による貸付の利息を取り締まる法律

 

どちらも借主を守るための法律ですが、現在の上限金利で解説したように、上限金利の設定に違いがあったり超過した場合の扱いが異なります。

難しい話になりましたが、「年20%を超える契約は違法」と考えていただければ結構です。

法改正の前と後


現在の上限金利は利息制限法・出資法ともに20%であるお伝えしましたが、2010年6月よりも前は金利がさらに高く設定されていました。

 

わかりやすい解説→5 お借入れの上限金利は、年15%~20%です

図にもあるように出資法上の上限金利が29.2%だったので、15%から29.2%の金利は利息制限法上はクロでも出資法上はシロとなるグレーゾーンと呼ばれていました。

仮に25%の契約だったとしても、借手の意思による契約であり、契約書面が整っていれば問題ないと判断されていたわけです。

賢い消費者金融の皆様は法律の抜け穴をつくようにグレーゾーンでの契約をしていました。

 

では、2010年6月の法改正により上限金利の引き下げが行われましたが、2010年6月よりも前に借入をしていて、それが年25%の契約だった場合はどうなるでしょうか?

 

①そのまま

②金利が下がる

 

 

答えは①のそのままなんです。

法改正では“新たに結んだ借入の契約”について金利の上限が変わったので、以前の契約では金利の引き下げが行われません。

まとめ


上限金利が年20%を超えていないか確認することが大事です。

超えている可能性がある場合には法律事務所へ相談しましょう。借入金額が減ったり支払ったお金が戻ってくるかもしれません。

ただ、お金を貸す立場にいる身としては、上限金利いっぱいの貸金業者と契約せず、できることならお金を借りないようにしましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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