個人投資家にとってVOOやAGGなどの有名ETFへ投資する一方で、高い分配金が見込めるハイイールド債にも投資をしてみたいと考える方もいるはずです。
この記事では、ハイイールド債ETFの中でも純資産総額が一番大きいHYG(iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF)について紹介します。
目次【本記事の内容】
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- ハイイールド債の特徴
- 格付の低い銘柄で構成
- ハイリスクハイリターン
- 基本情報
- 運用会社
- 純資産総額
- 経費率
- 投資先
- 投資成績
- 株価推移
- 分配金推移
- まとめ
- ハイイールド債の特徴
ハイイールド債とはHigh yield=利回りが高い債権を指します。
利回りが高ければ高いほど良いと考えるのではなく、リスクも存在しますのでしっかり理解したうえで投資を行いましょう。
格付の低い銘柄で構成
債権は投資適格債と投資不適格債に分けられています。
主要格付会社の3社に共通して格付がBB以下になると投資不適格(投機的)な債権とみなされます。
つまりハイイールド債ETFとは、格付評価の低い債権の詰め合わせパックです。
ハイリスクハイリターン
投資不適格債しか詰め合わせていないのであれば投資するメリットが無いじゃないか!と思うかもしれません。
しかし、格付評価が低ければ貸し手は高い金利を得ることが出来ます。
銀行が企業へ融資する際に相手の信用状態が良ければ完済する可能性が高いため、低い金利で融資することが出来ます。
反対に消費者金融で借りるような方は、破産する可能性が高いので金利が高めに設定しています。カードローンがその類。
信用状態の悪い企業へは金利が高い分、返済してもらえれば高いリターンが得られますので、それがハイイールド債のメリットとなります。
ただし、信用状態の悪い銘柄を多く含むため貸し倒れリスクもあります。
今回のようなコロナショックと呼ばれる景気が後退する場合には、企業が倒産してお金が返ってこないことも十分考えられます。
高いリターンの裏には必ずリスクがあることを覚えておきましょう。
HYGの基本情報を簡単にまとめていますので、さらに詳しく調べたい方は公式サイトのリンクを貼っておきます。
運用会社
HYGはブラックロックが運用するETFです。
ブラックロックは言わずと知れた世界トップの運用会社です。
世界トップの運用会社が提供するETFに投資が出来るなんて、投資の世界も便利になりましたよね。
純資産総額
純資産総額は大きければ大きいほど良いとされています。
なぜなら、純資産総額が大きいとそのETFへ投資する投資家が多く、いつでも売買でき、上場廃止する可能性も低いからです。

私が利用している楽天証券で債券ETFの純資産総額順に並び変えてみると、HYGは9番目に大きい債券ETFでした。
一番はAGGの852億ドル。HYGは257億ドルでAGGの3分の1程度ですが、投資不適格債でもマーケットが大きいのは意外ですね。
経費率
経費率はETFを保有している期間に掛かる管理手数料の割合ですので、経費率は必ず低いものを選びましょう。
HYGの経費率は0.49%です。
比較するためにAGGの経費率を確認すると0.04%です。
その差なんと10倍以上!
投資先
HYGの投資先は米国ハイイールド債です。
信用格付別にみると下のようになりました。
BBが半数を占めていますので、投資不適格の中でも割と安全かもしれません。
キャピタルゲインの参考として株価推移、
インカムゲインの参考として分配金推移をまとめています。
株価推移
過去のチャートを確認すると、
右肩上がりどころか右肩下がりです。
債券ETFはローリスクと認識されがちですが、ハイイールド債は景気に大きく左右されますので、リスクを理解して投資してください。
分配金推移
HYGの最も魅力的なことは分配金です。
日本株は年に1回の配当金、米国株は年に4回の配当金ですが、債券ETFは毎月分配を採用しています。
青の棒グラフは月々の分配金で
オレンジの線グラフは分配金利回りです。
緩いカーブを描きながら配当金も減少傾向にあります。
それでもなお配当利回りは4%は維持していますので、魅力的な商品だと思います。
キャピタルゲインを狙う投資家は、絶対に投資してはいけないETFです。
ただし、インカムゲインを狙うような月々の配当金を楽しむための投資であれば、ポートフォリオの一部に組み入れても良いかもしれません。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。