2021年1月16日に投信ブロガーが選ぶFund of the Year 2020が発表されました。2007年から始まり、毎年SNSなどで取り上げられるなど人気の高いイベントです。

何に投資すれば良いのかわからないから、ランキングの上位を買っておこう。
このようなことを考える方は多いと思いますが、2020年のベスト5のファンドを見てもそれぞれ特徴が異なり、簡単に決めるべきではないと思います。
そこで、私なりに考えた投資家の目的に応じてファンド分けをしていきます。
目次【本記事の内容】
正直、私も世界全体は今後も成長し続けると考えています。
世界最強の国として挙げられるアメリカが今まで成長し続けてきたことや、世界の工場と呼ばれていた中国も現在ではミリオネア(資産100万ドル以上)が440万人以上いると言われています。
どこの国が成長するかわからないけど、世界中に分散投資しておけば成長の恩恵を受けられる。
これが世界分散投資の強みです。
では、世界分散投資に該当するファンドを紹介します。
三菱UFJ国際投信が運用するeMAXIS Slimシリーズです。
手数料が安く個人投資家に人気のファンドであり、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は2021年2月5日には純資産総額1,000億円を突破しました。
投資対象
投資先は49の国と地域です。
先進国は87%を占め、その中でもアメリカの比率は58%と圧倒的です。
手数料
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は購入時および売却時の手数料が掛かりません。
保有中に掛かる手数料(信託報酬)は年率0.1144%(税込)です。
銀行が販売しているようなぼったくりファンドは1%を超える商品もありますので、激安と言えるのではないでしょうか。
投資を始めたいけど何に投資をすれば良いか悩んでいる投資家にはオススメのファンドです。さすがナンバー1のファンド!
ベスト5の中でも唯一のETFです。ETFとは上場投資信託といい、株式と同じように市場で売買されている投資信託のことです。
運用しているバンガードは世界最大級の運用会社であり、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の純資産総額は174.5億ドルです。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の約18倍の純資産総額であることを考えればどれだけ大きいかわかると思います。
投資対象
構成比率はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と大差ありません。
手数料
VTはETFですので購入時も売却時も手数料が掛かります。
手数料は証券会社によって異なりますが、私が利用している楽天証券では0.495%(税込)の売買手数料が掛かります。
ただ、保有している間に掛かる手数料(経費率)は年率0.08%です!
VTは中級者向けのファンドと言えます。
最低単位100円から買える投資信託と違って、VTは1単位1万円程度必要です。加えて、米国ETFですので円をドルに換えて購入しなければなりません。
投資信託を始めてさらに投資に興味を持ち続けた方が次に投資する対象としては魅力的ですね。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)やバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)と同じく全世界の株式へ投資を行いますが、決定的な違いは全世界の債券にも投資を行います。
投資対象
株式と債券の比率は50:50で、定期的にリバランスを行います。
手数料
購入時と売却時には手数料が掛かりません。
保有中に掛かる手数料(信託報酬)は年率0.57%(税込)です。
他の2つに比べるとコストが高く感じてしまいますね。9つのファンドの売買を繰り返しながらリバランスしているのでコストが高いのは仕方ないのかもしれません。
株式はハイリスクハイリターン、債券はローリスクローリターンです。
その二つを半分ずつ組み入れたセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドはミドルリスクミドルリターンといったところでしょうか。
リーマンショックやコロナショックなどの暴落時の耐性が低い方は検討の余地ありです。
日本はバブル崩壊から成長していないと言われ続けています。
しかし、日本経済は2012年頃からアベノミクスと呼ばれ、日経平均株価は上昇を続けています。
2012年から2020年だけを見れば、アメリカを代表するS&P500をアウトパフォームするほど優秀でした。
ひふみ投信は主に日本の成長企業へ投資するアクティブファンドです。
投資信託はインデックスファンドとアクティブファンドに分けられますが、市場平均に連動するインデックスファンドと違い、積極的にリターンを得るアクディブファンドはあまり人気がありません。長期的に市場平均を上回り続けることは極まれだからです。
しかし、ひふみ投信は2008年10月に10,000円で設定して以降、2021年2月12日現在で63,655円まで成長しています。設定来リターンは驚異の500%超え!
投資対象
トヨタ自動車や三菱UFJなどは上位に含まれておらず、成長企業への積極投資であることが見て取れます。
手数料
購入時・売却時の手数料はありませんが、信託報酬は1.0780%(税込)と割高です。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド0.57%が高いと思っていましたが、その2倍近い手数料が取られることを考えると、初心者には不向きかもしれません。
投資のほとんどをひふみ投信に突っ込むことはリスクがあるかもしれませんが、資産の一部をひふみ投信で運用するのはアリです。
今度は反対に日本企業が衰退していくと考え、相対的に他国が成長すると考える人にオススメの投資信託です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
ニッセイ外国株式インデックスファンドは日本を除く主要先進国へ投資するファンドです。
日本生命グループの資産運用会社ですが、日本生命は世界36位の運用額を誇ります。
投資対象
アメリカへの投資が7割を占めています。ここまでウエイトが大きいなら米国株に連動するファンドへ投資すれば良いのでは?と考えてしまいます。
手数料
ニッセイ外国株式インデックスファンドも他の投資信託と同じように購入時・売却時に手数料は掛かりません。
信託報酬は0.1023%(税込み)でeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)よりも安い結果となりました。
個人的に、日経平均株価やTOPIXに連動する投資信託をメインで運用する投資家が分散投資として活用するのに丁度いいのかなと感じます。
私がこの5つの中で投資初心者へオススメするのであればeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を選びます。
分散&低コストは他のファンドを圧倒するほど魅力的であり、やはり堂々の第一位に選ばれるには理由があるのだと思いました。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。